第9話ここねとらんの合わせ味噌!
脚本:金子香緒里
演出:河原龍太
らんxここね回。
本当にじっくりやっていくんですねえ・・
話を進めていくまえにまずは一番身近な人間関係をしっかり描く。
ということなんですね。
私が知る限り従来のプリキュアは「まずは全員揃えて、それから親睦会」
みたいなイメージがありましたが、今作は春映画の枷が無くなった事もあってか
一人ずつ、全員をゆいと同じ比重で扱おうとするような意識が見られますね。
「展開・進行が遅い!」と感じる方も出てしまいそうですが、
私個人としては好きな物語構成です。
だって人物と人間関係のイメージが出来ていなければ、この先
どんなイベントがあってもキャラの魅力全開で楽しむことは出来ないでしょう?
「考え方が大分違う二人」がいくつか見られ、
そのたびに「歩み寄ろうとする意識」も見せている。
人間関係ってのは基本的に、その意識さえあればなんとかなると思うんですよね。
「お友達と仲良くする方法」をちびっ子に教える番組
としてはとても効果的だったのではないかと思います。
プリキュアのバトルの中で問題解決に至る、というのもよかったです。
そうでないとバトルがただの添え物になってしまいますからね。
※ 箇条書き ※
■テイクアウトにすればお客さんが分散して被害が減るかも、ですか・・
そりゃつまり、お店にお客さんが集まるとホカホカハートが集中してレシピッピが
現われてブンドル団も寄ってくる、と?
なんというか・・・世相ですねえ。
コロナ感染予防対策をブンドル団に重ねて描くとは。(゚ω゚;)
■ジェントルーちゃんが追い詰められてきましたね。
情報が個人のSNS頼り、しかもここまで全敗で一個も回収できてない。
なかなかの役立たずっぷりでなんともかわいらしい。
新しい幹部が現れるのはリストラの合図。ああ・・かわいそうに(`;ω;')
と、思ったら洗脳系でしたか。
てことは敵のボスは洗脳させてあんな恥ずかしい恰好して
「ブンドルブンドルー」言わせてんのか。
さては危険人物ですね。(゚ω゚)
■サブタイ回収そこかよ・・
いや、味噌の話するなら仲良しパーティーは味噌使った料理を使うとか
でなきゃ「たこやきのソースにマヨを合わせると味わいが増す」とかさあ・・
それはさておき、この名言の役割は簡単に言うと
「合わせ味噌を混ぜる手」みたいなものでしょう。
ゆいの言葉に二人が賛同することで、
今回のお話は「3人の物語」になったのです。
それをバトル演出で分かりやすく絵解きして見せてくれたのも
見事です。
■理論派と直感派の衝突
これはもう昔っからの定番ネタですよね。色んなアニメや特撮で見てきた気がします。
お互いの長所と欠点を言い合って、いざピンチの時にはお互いの論理を尊重して
結果を出す。
ああ、書いていてニヤニヤしてしまいました。
これぞ王道。これぞ正統派!って感じですよね!!!(*゚∀゚*)
定番はいつ何度見たっていいものです。定番とはそういうものなんですから。
こういう創作姿勢を見せてくれたことが、今回何よりうれしかったです。
■またマリちゃんがサラっと深い事を・・・
「言いたいことを言い合えるなんて素敵」
「なんでも相手に合わせてたら、それこそいい関係なんて言えない」
これなあ・・・
人生経験豊富そうな彼女だからこそサマになる言葉ですよね。
こういうのは大人じゃないと言わせられない。
本当に頼りになるというか、このチームには無くてはならない存在
のように思えてきましたね。
■〆のカット
アイコンは「パンダとラーメン」。
うん。最後まで徹底的に予定調和。素晴らしい。
お話の組み立ての分かりやすさ、主題を描くアイディアの量、
表情の豊かさと楽し気な進行。
いやあ今回も楽しかった。「これこれ、こういうのが見たかったんだ」と
思わせられるようなお話でした。