デパプリ感想を語るブログ

「デリシャスパーティープリキュア」の感想をと面白さの秘訣を語る専門ブログです。

16話:らんらんって変?肉じゃがとウソ

脚本:山岡潤平

絵コンテ:貝澤幸男

演出:ひろしまひでき

おー!?(*゚∀゚*)

良い!いいぞ・・・

かねてより「担当回キャラ以外の存在感が無い」お話作りに苦言をしてきましたが

今回はちゃんと3人で物語を動かしている様子が見えました。

 

主題もなかなかデリケートでありながら、

必要以上に深刻にせず、誰も悪者にせず、スッキリした視聴後感に

なるように脚本演出の配慮が見られたことも良かった。

 

中盤以降は「そうそう、それだよ!」なんて頷きながら見ていました。

らんの「ヘンなやつ」感は確かに、こんな子がクラスに居たら自分でも
誰かに話したくなっちゃうだろうと思います。

 

だけど大人になった今なら「変わってるけど悪いやつじゃないし?」
「まあそんな奴もいるわな」で特にイジったりはしなくなるわけですが、
中学生ですからねえ…

らんもらんで、自己表現が強烈かつ突飛であることは自覚しているも
我慢できない。

 

多少変わり者であっても誰かに害や迷惑がかかる訳でもない以上、

それは押し込める必要はない。

「それは欠点ではなく魅力であると分かってもらえばよい」

その具体的方法が

まずはらんの自信を取り戻させる。そして

「高木君について知る」

「彼の理解に沿う形で自己表現する」

という事だったんですね。

 

問題解決にあたって
「理解してもらう前に、相手を理解する」という

ステップが入っていたことは非常に重要です。非常に!

 

だってそれのあると無しとでは

その後の展開が自然に見えるか都合よく人物が操られて見えるか、

全く印象が変わってしまうのですから。

 

近年は
「多様性を認めない人間は愚か。ゆえに自分は理解・賞賛されるべき、
それが出来ない奴なんかと付き合うのは時間の無駄」

などと言い切ってしまう危うい人もいますから、
子供に向けた作品を作る人がこのような思想を作品にねじ込む様子が無い
というのはとても安心します。

 

 

高木君というキャラは「ふつうの、どこにでもいそうな中学生男子」

という感じが良く出ていました。

「ヘンなやつをヘンって言って何が悪いんだ?」というのもただの道理。

 

だけど彼の事情を知ってみれば険悪になる必要もなかったと分かるんです。

 

ただ一つだけ、
人が食ってるもんをなかば強引に一口頂くというのは

気遣いの足りない表現だったなぁと思います。

 

ひとりで食ってるところ急に店に入ってきて一口くれ、なんて

「非常識」であり明らかな「迷惑行為」なんですから。

今から誤解を解いて仲よくしようとしている人に対してそりゃあないでしょう。

最初の信頼を構築する大事なシーンなんですよここは。

 

こういうのは自分も同じ物頼んで相席させて
もらえばよかったんですよ。

「え、(脚本演出の人)何やってんの!?」と、ここだけはかなりガクッときました。

 

・・まあ、「一口頂戴」が気にならない人もいますからねえ。

私も人によっては平気ですが仲良くない人にそう言われたら断るかな。

これはちょっと見せ方を変えるだけでも印象が変わったはずなのですが・・
・・貝澤さんはこれが特に気にならないほどに、きっとおおらかな方なのでしょう。

 

しかしその後、彼が理想の肉じゃがを食えたのはらんらんのお陰。

それでプラマイゼロ、にはなったかな・・

昼飯時に料理オタクの女の子が自分のために考えてくれたレシピの

肉じゃが食わせてくれたら・・・ああ、うん、嬉しいですよね。

うっかり惚れても不思議じゃない。

 

ノリの違う人と分かりあい仲良くなれるってのはステキ。

子供たちへのお手本としても優秀な作品だと思いました。

一か所引っかかりはあったものの、

とても練れていてまとまりも良く、視聴後感はとても良かったです。

 

 

ゆいとここね、それぞれ問題解決のために別のアプローチで

物語に参加していたところは本当に安心しました。

そこに大人の意見でまとめを入れるローズマリーの活躍具合も

丁度よかったと思います。

▲この人が言うとそのセリフは説得力が違う。

 

止め絵でみるとヘンですが、このシーン好きですねえ。

料理大好き少女が、高木君が持っている料理への大切な想い出を取り戻す!と
気合入れる場面。

今回の物語にも、お料理がテーマのプリキュアとしても
非常に良いクライマックスです。

 

▲上でこんな図々しい真似されたら、話をする前に嫌われてもおかしくないと

書きましたが・・・これが「クラスでちょっとかわいいと思ってる女の子」だった場合

たぶん怒る男の子は居ないと思います。

つまりそう言う事だったという解釈もできますね。

話変わるけど高木君、ムサシGUN道思い出すんだよなあ・・

 

変わり者。だからこそ、受け入れてくれる友達は本当に貴重。

元気出せと強いるのではなく「元の調子が戻るように誘い込む」。

これも友達の事をよく理解しているからこそですよね。

 

▲あ、わすれてた。

この子本当にここまでずっと全く出番がなく「寝かされ」続けてましたね。

 

とは言えこれはどう考えても放送中断の影響。

ここについてはケチは付けますまい。

 

予定が変わったであろう4人目の物語はどのような形になるのでしょうね。