38話:おむすびと未来へのバトン
脚本:平林佐和子
絵コンテ:河原龍太・鈴木正男
演出:小松由依
「気合が入っていますね。」
そのセリフにうなづけるだけの「気合」が確かに感じられる回でしたね!
制作陣からキャストまで。
やっぱこれですよ。「想い」を胸に抱いてこそヒーローは輝けるものなんです。
今回は過去の身近な人たちの想いに沢山触れて、「バトンを繋いだ」から。
それを感じられたからこそすべてが盛り上がって見えたんです。
いやあよかったよかった。
ゆいの個人回のラストをしっかりやりつつ、
ラストの展開への誘導も出来ている、非常によい回だったと思います。
過去にさかのぼる事でこれまで見て来た脇役含めた人間関係のあらましが分かる
ってのは面白いですねえ。
しかしそれが仕掛けとして機能するのは、ここまでにその脇役含めた人間関係を
魅力的に描いてきた時だけです。
その自信と自覚が無きゃ、この話は出来なかったでしょうね。お見事です。
亡くなったはずのおばあちゃんと会って話す場面というのは、
大事な人を亡くした経験を持つすべての人の心に刺さるのではないでしょうか。
ええ、私も直撃しました。
私も祖母の教えを残したいと思ったからこそ、
自分の作品に登場させたくらいなのですから。
<プライマルリング!第2話>より
霧島みるの人格形成はこのばあちゃんにあり、その言葉もまた
その影響を大いに受けているのです。
※ ※ ※
おばあちゃんと二人で話す場面は
ゆいが常々言っていた「おばあちゃんが言ってた」ネタを
ただのキャラアイコンから「ゆいの想いを感じる表現」に変えましたね。
主人公の言動の重さが一段と増すことになるでしょう。
過去のエピソードを振り返ってみてみても、その言葉の重みは変わると思います。
「言葉だからね。忘れられる事も役に立たないこともある。」
「でも、ちょっとだけでもいいの。もしも何かの力になれれば、
私が居なくなっても大切な子達を支えれらるかもしれないでしょう?」
本当にいいこと言いますね。
「料理は笑顔」にはじまるここまで見て来たゆいの姿は正しく、
彼女がおばあちゃんの想いとともにあった事を物語っているのですから。
゚・*:.:♪*・゜゚・♯*:.。. :*・゜
「ジンジャーだシナモンだのに関心を持てる描写が無いままで
それ関連の話を進められても、ただひたすら退屈なだけなんですよ」
とここまで何度も言って来ましたが、
妖精たちの事情の種明かしや、そのきっかけがあった
当時の人たちが何を思ってどんな行動をした結果があったのか知れたのは
面白かったです。
在りし日の師匠と妖精たちも、主人公と同じように
「この街で出会った人と絆が大好きになって、守りたいと思って行動した」。
おばあちゃんの言う「私が居なくなっても大切な子達を支えられるでしょう」
という言葉がジンジャーの行動にもかかっているのがまたよいです。
過去に出会った人たちはみな、その幸せを未来へ繋ぐために行動していた。
建設中の招き猫はその象徴として見る事が出来ますね。
ジンジャーがゆいのおじいちゃん?
クッキングダムと日本人のクオーターだったって事?はえー
危機においてブラペが一人で体張るところも男の子らしくて好きですねえ。
オネエに介抱されて慌てて赤面する少年か。
ふむ・・・
何故慌てたんだろうなあ?┌(┌^o^)┐
※ ※ ※
ナレーションがおばあちゃんというのは分かっていた事ですが、
最後の言葉は「ああ、やっぱそう言う事か」ってなりましたね。
おばあちゃんがずっと孫を見守りつつ、視聴者に説明してあげている、
という体だったんだ。
ゆいの好物は元々おにぎりでしたが、
今回の「過去と未来、祖母から孫へ伝わる想い」という物語の中で
「お結び」のレシピッピを守ったところがまた、
この作品らしいじゃないですか。
食べ物と物語が常に関わっている、食べ物がテーマのプリキュアらしさにも
しっかり触れているところはさすがって感じでした。
※ ※ ※
見どころいっぱい!それでいてこのまとまりの良さはなんだ!
偶然なのか?あまりにもよく出来ている・・・
等と思ってしまいましたが、偶然じゃないですね。
最初から一貫してゆいはおばあちゃん子で、おむすびが好きな理由も
そこに関連していた。映画の中でさえ。
ゆいは常におばあちゃんの想いとともにあったのですから、
その話をまとめる段にあっては、急に余計な設定を追加するなんてことをせずとも
綺麗に話がまとまるのは道理だったんです。
もちろん、高い知恵と技術があってこそですけども。
私がプリキュアが好きなのは可愛さ・面白さの中に「熱さ」があったからなんだ。
そしてその熱さとは人の想いに触れる事なんだ。
今回はそんな事を改めて思い出すことが出来ました。
ここまでデパプリを見てきてよかったです。
゚・*:.:♪*・゜゚・♯*:.。. :*・゜
演出:小松由依
ああ、そう。
今回の演出ゆいちゃんがやったの!そう!
できすぎてんな!!(゚∀゚)
なんてね。肝心要の回ですから、そんなのただの偶然なんでしょうけど、
なんかここにも意図や思惑があったんじゃないかとついつい思っちゃいますね。