デパプリ感想を語るブログ

「デリシャスパーティープリキュア」の感想をと面白さの秘訣を語る専門ブログです。

第27話:コメコメ大変化!らんのハッピー計画

脚本:伊藤睦美

絵コンテ:志水淳児

演出:ひろしまひでき

序盤に物語の芯を見せなかった事から

「ははーん、さては今回はユルい回だな。
とりあえずキャラが楽しそうにしてる様子は描けてるし、
自分が理屈ぶって何かを言うような内容ではなさそうだ」

 

と、思ってたんですが

 

「みんなと違う見た目であることを気にする」という

センシティブな内容を回避しつつ結構デリケートな内容に触れ出したところから

ちょっと見る目が変わってきました。

 

【やさしいせかい】

コメコメが人間とは違う姿である事を誰も悪いとか変だとか言ってはいない。

つまりコメコメがその姿を否定する理由は最初からなかったわけで

今回はそれに気づかせるというのが物語の芯となった訳です。

 

コメコメをハッピーにするのに必要なのは尻尾を消す事ではなく

考え方を変えてやる事だった。

 

 

らんの物語と言えば

▲コレがありました。

 

そして今回のお話はこのエピソードを踏まえて描かれていました。すなわち

⇒「ヘンだと言われてもひっこめず、料理愛を表現していく」

⇒「食べ物トークを同級生たちも面白がってくれる」

⇒「今回の主題」

 

らんのテーマは「自己表現」って事なんでしょうね。

 

▲前回はここねの「友達が出来てからの変化」が描かれていました。

 

ここねは「友達との付き合い方」

らんは「自分の表現の仕方」

キャラごとにテーマが定めてあって、これにそってキャラを掘り下げていく。

そういう監督構成の設計思想をここに見出すことが出来ます。

 

キャラごとにテーマを定めて描いて行く、というとスマイルプリキュア

思い出しますが、この手法はなんだか安心感がありますよね。

私も自分の作品ではこれを意識しています。

ここねと朋佳はテーマから表現までかなり似ているところがありました。

今や全く別の道を行っていますが。

 

゚・*:.:♪*・゜゚・♯*:.。. :*・゜

コメコメの考えに気が付いたら、自分のエピソードを交えて話してあげる。

ストーリーとしてはとてもささやか。絵本みたいなシンプルさですが、

だからこそ子供たちには分かりやすいんじゃないですかね。

 

そしてコメコメの悩みを解決するきっかけに

ちゃんと「らんの発明品」が活躍していたところも見逃せませんね。

 

序盤に「らんの発明でコメコメをハッピーにして欲しい」

言っていたのですから。

逆にここでらんの発明品が出なかったら「何のための発明キャラアピだったんだよ!」

くらいの事を私はわめいたはずです。

 

 

うーん、今回もシンプルながら雑さが無い、「しっかりした作り」だったなぁ・・

 

※  ※  ※

ところで今回は物語の解決とバトルのパートが噛み合っていませんでした。

バトルの中で描かれたのは「食べることは応援と同じだよ」というプレシャスの言葉に

スピリットルー君がアッサリ動揺してしまうという様子。

「ここまで話を組み立てられる人がこんなチグハグなポカをやるだろうか?」

と疑問に思っていたらまさかのここでお話が終了!

ああ、そうか。だから物語はバトルが始まる前に「結」まで済ませておく

必要があった訳なんですね。

 

※  ※  ※

エンディングはまるっと映画の宣伝。

冒頭の特製モーションが可愛かったなぁ・・・

 

次回は新製品登場。

そのきっかけがコメコメで、だからこそ今回は「コメコメの成長」にも

フォーカスしたって事なんですね。

 

 

゚・*:.:♪*・余談゜゚・♯*:.。. :*・゜

今回のお話に文句は無いんですが、一つだけ余計な事を言います。

コメコメの見た目がどんどん成長していく過程が私は気持ち悪くなってきました。

過去にもそういうキャラは居たんですが、コメコメほどの違和感を感じた事は

ありませんでした。たぶん、コメコメを「生き物」として認知してしまっている

せいだと思います。

これは、キャラクターを「人間扱いする」か「モノ扱いするか」の境界でも

あると思うんです。

これまでの作りを見るに、後者ではないはずだ、とは思うのですが一方で

その辺無頓着な作家ほど「キャラの年齢を安易に弄ぶ」記憶もあるものですから。

 

もちろん監督には何かの思惑があっての事なんでしょうけど、

コメコメを「一つの人格」として認識してしまうと

大切な幼少期が一瞬で過ぎてしまうなんてあまりにも残酷で、冒涜的で

気の毒に思えてきてしまうのです。

 

ーそんなこと考えるのは私だけでしょうから、良いんでしょうけどね。