デパプリ感想を語るブログ

「デリシャスパーティープリキュア」の感想をと面白さの秘訣を語る専門ブログです。

第26話:ここねのやくそく!ピーマン大王への挑戦

脚本:金子香緒里

演出:土田豊

「お友達が出来て、お嬢様の世界は

どんどん広がっていきますねえ」

 

プリキュアの青の子は主張が少なくて空気になりがち」というイメージが

ありましたし、一時期はここねにもその懸念がありましたが

最近はちゃんと持ち直してくれたようで。あるいは作者にその気があるようで

とても安心しますね。

 

ここねの成長は「友達との付き合い方が分からない」から

次のステップに入った事が伺えますが、それでも彼女のテーマからは離れない。

とどろきさんの台詞はそれを象徴している訳です。

 

苦手な野菜を克服するために農業体験からやってみよう!

というのは

この回を思い出さずにはいられませんでした。

 

こんなイカれたゲストは出てこなかったけど(゚ω゚)
インパクト強かったよなぁ・・この回。

 

「ピーマンを食べられるようになりたいと思う理由」

についても、なんとなくとか、体に良いからとかではなく

「何でも食べられた方が楽しいよ」

と言っている。

この辺りをしっかり固めて描いてくれていると「安心感」が違いますね。

 

だってこれを示さなければどんな描写をしようともそこに動機が見えないんですから。

動機が見えないならその先のシーンは全て空虚になってしまうのです。

今回のお話を支える「芯」として、これは絶対に必要な主張でした。

 

 

ナルシストルー君、サイレント退場ですか・・

そして新入りの手下にタメ口きかれても「面白いやつだ」と歓迎してくださる

ゴーダッツ様。

この器のでかさは、あのお方が悪の親玉だという事を忘れてしまうほど!

 

実はブンドル団の本業はレシピッピ強奪ではなく、

プリキュア側の親玉と協定結んで適度な部下を

派遣する事業なんじゃないか

と疑りたくなりますね。(思い付きで言ってみたけどこれある意味正解だったわ)

 

「ピーマンはおいしいよ!」←わかる

「栄養も豊富だ」←うんうん、そうだね

「食物繊維もあるし」←Σ(^_^)

「ビタミンCも含まれている!」←Σ(^ω^)!?

「美容にもいいわ」←あ、うん・・

「農家さんの愛情も!」←揺り戻した

同じ内容の台詞を形を変えて繰り返したメンバーが2人いますね・・・

締め切りまでに別のいいセリフが出なかったのかな。

 

 

ここ、せっかくこれまで盛り上げたんだから、

逆転技出す前にピーマンかじったらよかったのに。

ピーマンを食べる場面を一番印象的にできるのはここだったと思うんですよ。

敵に「なぜ苦いものを食べるのか?」と聞かせて「この苦さが美味しいのよ!」

と返させるとか。

 

それに、そのほうがポパイみたいに分かりやすく、子供たちに

「ピーマン食べてプリキュアみたいにカッコよくなりたい」と

思わせられたんじゃないかな。

 

あ、思い返してみれば

田中仁脚本・門由利子演出ではそのへんきっちりやってましたね。

やっぱヒーローが苦手なものを扱った時のクライマックスの「定番」は

これだと思うんです。

で、これよ。

これ見て私も当時生にんじん食うのにハマったものですよ。

 

こういうヒミツであわあわするの、いいよね・・

ちょいちょい拓海君のポジションを美味しく料理する

アイディアが見られるのが本当に楽しい。

 

「はい、チンジャオロースーできたぞ」

 

えっ!( ゚Д゚)

 

それレストランで出てたじゃん・・・テイクアウトしたんでしょ・・・(゚ω゚;)

・・・まあいいか。「拓海の特製チンジャオロースー」は別。別なんだよ。

こんなのいちいち気にしなくていいの。

 

「美味しいが増えると楽しい」

苦手な食材を克服して、食卓を囲んでみんなで笑顔。

お料理がテーマのプリキュアらしさが溢れる、とても良い〆ですね!

 

「苦手の克服」という主題に

ここねのテーマである「お友達」という要素も

しっかり絡んでいる。

見事な一話でしたね。

 

 

本作は「食べるシーンが多い」「物語に食べるという要素が含まれている事が多い」。

それは当たり前なんですが、その当たり前を当たり前にやってくれている事ってのは

とても大事な事なんです。

 

゚・*:.:♪*・脚本演出゜゚・♯*:.。. :*・゜

金子香緒里さんと土田豊さんか。納得。

 

・・いや、土田さんにしては大人しい気もしたかな。

▲このへんは土田さんぽさがうかがえた。

 

こっちは・・「このカットいるかよ?」と思いましたが

これはたぶん上ケンさんが妙にこだわっちゃったせいで妙な生々しさが

出ちゃっただけな気がします。

いや、あのお方はお口以外でも細かな所作で必要以上に丁寧な描写をするって

印象ですが。

▲ここも。「必要以上に」細かかった。

 

 

 

金子さんはやっぱりいい仕事するじゃないですか。

 

・・・前回のアレは何だったんだろう。

まさか絵コンテが脚本弄りまくった?あるいは無視した?

そうでないとあの雑さにはどうしても説明が付かんのですよ。

 

今回の脚本演出は、物語の中で主題を表現するためにはどんな描写が必要なのかが

しっかり見えている人の仕事でした。

そういう仕事をする人が

teioteiteio.hatenablog.com

こんな粗末な話で納得できるわけがない。と、思うんだよなぁ。

金子さんの打率から考えると、22話がアレだった原因は佐藤さんなのかな。 

 

 

゚・*:.:♪*・プリキュア、扱いに差が出がち問題゜゚・♯*:.。. :*・゜

具体的にどれが、とは言わないんですが私は

プリキュアとして登場させておいて存在感空気にする創作姿勢」が

大嫌いだったんです。

「扱い切れないとか、扱う気が無いとか、そんな可哀想な事をするなら

初めから登場させたるなよ」と思うし、

「生み出したからにはみんなとシナジーを引き出せるキャラ付けしてやってくれよ」

と思うんです。

 

 

物語に参加しないけどクライマックスには変身するってんじゃ、

それはもう「人物」ではなくただの戦う人形じゃないですか。

 

今作はちゃんとキャラクターらしさを発揮させる事を意識して作っている

脚本演出家さんが多くていいなぁと思います。

今回はここね回でしたが、それを忘れる程みんなが物語に参加して

暇にしている子がおらず、マリちゃんや拓海、妖精たちまで

生き生きと「動いて」いました。