第30話:おまつりわっしょい!やきそばマリちゃん!
脚本:谷畑ユキ
絵コンテ:小村敏明
演出:三家本泰美
「みんなでアイディア出しあって作った
焼きそばはー最高なんじゃーい!」
いやぁいいシャウトだったぁ・・(´∀`*)
「楽しさ重視の日常回」でこんな熱いクライマックスが見られるとは
思わなかったですね。
ここでちゃんとマリちゃんが力込めるのに合わせて4人も力を出していたところにも
この脚本演出の隙の無さが象徴されていたように感じました。
ユルい遊びの回。
だけど「ゆいのおばあちゃん」の存在感を出してきましたね。
「5年前には元気なおばあちゃんが今はいない」という示唆。
映画の、ゆいの過去のシーンのおばあちゃんの表情の意味は
遠からず分かるでしょうか。
※ 物語が無いお話だったのに ※
今回は「物語」がありませんでした。誰の心の起承転結も無かったという事です。
そういうお話の場合は得てして視聴後に物足りなさを感じるものなのですが、
今回はなぜかそれを感じませんでした。
それは、「みんなで力を合わせる事の楽しさ、素晴らしさ」を
確かに感じられる描写が沢山詰まっていたからです。
※ 楽しい絵がいっぱい! ※
▲「広報」にはらんらんの「面白い例え方をするグルメレビュー」。
ただおちゃらけているように見えて、
「みんなが自分のできる事で協力して、目標を叶えるために力を合わせる」
というお話の核心にも触れている。
今回のギャグシーンは全部にそういう「意味」が含まれていたのです。
メンメンにも活躍の場が!気が利くじゃないですか。
「バエる飯が受ける」というのはイマドキなアイディアですね。
なんだこのネタは!?-と思っていたら
「家族の特徴」まで巻き込んで「大きな協力体制」やプリキュアチームのやる気を
描いている。
この辺りで、私もうっかり「本当においしそう・・」と思わされてしまいました。
と同時に、「これ脚本演出誰だ!?」「見た事のないギャグセンスだ」
「土田監督・・じゃ、無いと思う・・」なんてことを考え出していました。
ああ^~(^q^)
そうそう。これこそは
「女の子がおめかししたら男の子はどう反応するべきか」の模範解答!
本当にこういう「お約束」を忘れないよなぁデパプリは。
というかやっぱり、「可愛さ」が売りの番組なら
リアクション係の男の子キャラって重要じゃないかと思いますね。
これがココみたいな成人男性が同じリアクションしたら犯罪の匂いがしちゃうし。
で、モブにこんなオノロケをさせた上、花火のジンクスまで聞かされたとあっては
ラストには拓海とゆいが二人で焼きそば食いながら花火見るシーンが
入っちゃうんだわ!キャー!
ーなんて思ってたのに・・・・
そ っ ち か よ !!!
マリちゃんと拓海が並んで座ってるカット見て噴き出しましたわ。
腐ったお姉さま方は今頃色めきだっているでしょうか。
ーでもまあ、お話の流れを考えたらこの終わり方の方がよかったと思います。
「入る?」「入らねえ!」のところに6人の距離感や拓海の性格が
伺えてよかったですし。
「みんなでとか、力を合わせてとか、能力のないものほど群れたがる。本当に無意味」
というセクレトルーの言葉は彼女らしくもあり、
今回のお話のテーマにも合っていてよかった。
※ 脚本 ※
上にも書きましたが、今回は序盤から、キャラの描き方・ギャグの出し方のクセが
自分の知ってる情報の中に無くて、「これ脚本だれだ?」と首をひねっていました。
謎のワッショイ押しなんかは分かりやすく特徴的でしたね。
「楽しいお祭り感」を人物描写ではなくそういう小細工だけで見せようものなら
私はむちゃくちゃ腹を立てていたはずですが、
今回は「中身が伴ったうえでそういう遊びを入れている」事から
それもアリだとおもう事が出来ました。
▲このアイディアも、無駄に尺を使うだけのオフザケかと思いきや
ちゃんと今回の主題を引き立てる要素の一つになっていた。
デパプリでは初めての脚本家さんでしたが、キャラクターの特徴や人間関係を
キッチリ把握したうえでその魅力をしっかり引き出すお話作りが出来ていました。
ーいやはや、こういう上手い作家がつぎつぎと寄ってくるのは一体何なのでしょう。
きっと、何か事情があるんだと思います。知る由は無いですけど。
今回も非常に楽しい一話でした。
あ、細かい事ですが▲ここだけは「これ正々堂々って言えるか?(゚ω゚)」と思いました。
まあ、気にするのも野暮かなぁとは思うんですが