デパプリ感想を語るブログ

「デリシャスパーティープリキュア」の感想をと面白さの秘訣を語る専門ブログです。

第22話:ブラペ引退!?伝説のクレープを探せ

脚本:金子香緒里

絵コンテ:佐藤照雄

演出:ひろしまひでき

 

はあ。

「拓海のおせっかいな性分の悩みと解決」ですか。

描きたい要素は明白でしたね。

 

 

・・・で、これ面白いですか?

 

※素直に感想を書いていたら、脚本演出のどこがどうダメなのかの解説に
なってしまいました。これは感想とは言いません。

金子さん佐藤さんご本人及び今回を「面白かったー」と思った人は読まないでください。

いい気分にはならないはずですから。

まず、まあ何というか、「力技」な脚本でしたね。

・いきなり戦いから始まって

・これまでそんなことは無かった拓海が急に余計なお世話ってことになり

・その一件だけで拓海が悩みだし

・Aパート冒頭からはいきなり知らない脇役の詳しい説明が入り

・さらに未登場の脇役の知り合いの解説まで入り

視聴者がさして関心を持てない状況でストーリーを始めてしまう。

・仲直りのシーンでも脇役に長々と思い出を「しゃべらせる」。

 

 

脇役のディテールを詳細に描く事自体は悪くありません。

だけどそこから主役の人柄や魅力描写につなげられないなら

何の面白味も発揮しません。何のための脇役なのか?って話にもなります。

視聴者はポッと出の脇役なんぞに大した関心など持たないのですよ。

 

今回は脚本も演出も筋書きに気を取られて、この考えが抜け落ちています。

 

 

また今回はナレーションが多めでしたが、それは
「急にぶっこんだ設定を解説するために」使われていました。

こういう使い方は感心しませんね。

このナレーションは子供の理解を助けるためのアイディアであって、

雑な進行の穴埋めに使うためのものじゃないんですよ!

 

 

脚本演出は指定されたであろう筋書きを確かに描けたと思います。

だけど、肝心のお話自体がそもそも面白くありません。

だって主人公の拓海は淡々と筋書きをこなすだけだし、

プリキュアの4人はただの添え物になってたんですもの。

 

先週がなんであんなに面白かったのかと言えば、ストーリーが
進む中で4人全員の魅力がたっぷり見られたからですよ。

 

今回のプリキュア達は話の中でただリアクションを取るだけ。

肝心の拓海も「世話焼きなところを見せる」「余計なお世話かと悩む」をやるだけ。

 

「自然な流れを考慮せず、すぐその場で使う材料を

逐次投入して話をやりたい方向へ転がしていく」。

今回はそんな様子がかなり目につきましたが、

これは本来作者が頭を使って負うべき負担を視聴者に肩代わりさせるようなものです。

「子供だまし」のつもりならそれでもいいんでしょうけどね。

 

こういう手法は

作品全体を俯瞰した物語の組み立てが出来ていないときに発生する物です。

今回は「ここはこうしたらよかったんじゃない?」という話ではなく

設計段階から問題のある脚本だったと思います。

 

Aパートの段階から、私は別の意味で「これ脚本誰だ?」と興味深々でした。

 

※  ※  ※

ここまでの文章はエンドロールを見る前に書きました。

「金子香緒里」という文字が信じられなくて録画戻して2度見しました。

 

ははー・・・・・何があったんだろう。

 

「みんなの想いがこもったクレープを食べて」

ってあなた、「みんな」ってだれなのよ。

クレープを一生懸命作ったのは主に拓海でしょ?

クレープを作るのにどんな事情があったのか、作ってる最中のゆいたちは知らないよね?

プリキュアも麻恵もお互い相手の事知らないよね?

百歩譲って「想いがこもった」ってならそれは伝説のクレープ屋への想いであって、

麻恵への何かの感情ではないよね?

 

この辺は演出も大概だなぁ・・何も考えないで絵コンテ切ってんだ。

 

「あの」金子さんがこんな本を書くとはどうにも信じられない。

あるいはこれまでは演出に助けられていたのか、

それとも今回の演出がおかしかったのか。わからないなあ。

 

 

゚・*:.:♪*・いいとこ゜゚・♯*:.。. :*・゜

ここまで言いたい放題書きましたが、いい所もありました。

バトルの絵作り自体はカッコ良かった。

冷めきっていた私の心でさえ「おお!ええやん!」と思わされました。

 

 

 

色々と文句はあるけど、

「手紙で日頃の感謝を伝える」ってのは素敵な事だと思いました。

拓海にはこれで十分救いになるでしょう。

 

後味が良かった事は私にとっても救いですかね。